🩸 ビリルビンは赤血球の最終代謝産物で,肝臓が処理する「血液の老廃物」
🧠ビリルビン(非抱合型)の分子量は約 584.65 Da
分子式:C33H36N4O6
抱合型ではグルクロン酸が 1 または 2 個結合し、1 個あたり約 +192 Da 増加(モノ約 777 Da、ジ約 971 Da)。
🧬 ビリルビンが作られる場所(生産部位)
ビリルビンは主に網内系マクロファージ(脾臓・肝臓・骨髄)で、老化赤血球や無効造血由来のヘムが分解される過程で生じます。
| 臓器・細胞 | 生成割合 | 特徴 |
|---|---|---|
| 脾臓(マクロファージ) | 約70〜80% | 老化赤血球の破壊の主座。ヘム→ビリベルジン→ビリルビン。 |
| 肝臓(クッパー細胞) | 約10〜20% | 脾由来の破壊産物の再処理。 |
| 骨髄(マクロファージ) | 約5〜10% | 無効造血由来のヘム分解。 |
| その他(脳・腎・皮膚など) | 微量 | 局所ヘム代謝(抗酸化・細胞保護)。 |
これらは主にマクロファージの小胞体で進行します。
🔹 補足:ヘム由来の比率
- 赤血球ヘモグロビン: 約80〜85%
- 非赤血球性ヘム: 約15〜20%(ミオグロビン・シトクロムP450 等)
ほとんどが赤血球ヘモグロビン!
🧩 ビリルビンには「直接ビリルビン」「間接ビリルビン」がある。
ビリルビンには「肝臓に届く前」と「肝臓で処理された後」の2種類があり,処理前を「間接ビリルビン(非抱合型)」、処理後を「直接ビリルビン(抱合型)」と呼びます。古典的ジアゾ法の反応性に基づく呼称。
直接ビリルビン:ジアゾ試薬(ジアゾ化スルファニル酸)と直接反応して発色する成分
→ 水溶性(抱合型)ビリルビン
間接ビリルビン:ジアゾ試薬と直接反応せず、アルコール添加で反応する成分
→ 脂溶性(非抱合型)ビリルビン
間接ビリルビン=肝に届く前の脂溶性ビリルビン
直接ビリルビン=肝で処理され、水に溶けるようになったビリルビン
🧬 基本的な違い(直接ビリルビン・間接ビリルビン)
| 項目 | 間接ビリルビン(非抱合型) | 直接ビリルビン(抱合型) |
|---|---|---|
| 化学構造 | グルクロン酸非結合 | グルクロン酸1〜2分子結合 |
| 水溶性 | ✕ 脂溶性(アルブミン結合) | ○ 水溶性(胆汁排泄可能) |
| 生成場所 | マクロファージ | 肝細胞 |
| 排泄経路 | 肝抱合を経て胆汁へ | 直接胆汁中へ |
| 検査反応 | ジアゾ試薬に直接反応しない | ジアゾ試薬に直接反応する |
| 上昇疾患 | 溶血、Gilbert、Crigler–Najjar | 胆汁うっ滞、Dubin–Johnson、Rotor |
🧬 要点整理(位置関係)
[脾臓・肝・骨髄マクロファージ] ヘモグロビン → ヘム → ビリベルジン → 非抱合ビリルビン ↓(疎水性なので血液に溶け込めないからアルブミンと結合して血中輸送で肝へ) [肝細胞] ↓ 取り込み(OATP1B) → 抱合(UGT1A1) → 排泄(MRP2) [腸管] 腸内細菌 → ウロビリノーゲン・ステルコビリン → 便・尿
💡 追加メモ(臨床的ポイント)
- マクロファージ段階の異常 → 溶血性黄疸(間接型優位)
- 肝細胞抱合異常 → Gilbert / Crigler–Najjar
- 胆汁排泄障害 → Dubin–Johnson / Rotor / 肝内・閉塞性胆汁うっ滞
- 新生児はUGT1A1低活性・腸内未熟で間接型が優位、光療法で異性化排泄促進
💡 臨床的意義(上昇パターンから病態を推定)
| 上昇型 | 主な原因 | 特徴 |
|---|---|---|
| 間接型優位 | 溶血、ギルバート症候群、クリグラー・ナジャール症候群 | 産生過剰または抱合能低下 |
| 直接型優位 | 胆汁うっ滞、Dubin–Johnson、Rotor | 排泄障害・胆汁うっ滞 |
| 混合型 | 急性肝炎、薬剤性肝障害など | 肝細胞障害で両者上昇 |