正解:5)体位変換・移動のときは挿管長を確認する。
体位変換やベッド移動などで体を動かすと,気管チューブ先端は
mm〜cm単位で位置が変化する。
その結果,主気管支挿管や偶発的抜管のリスクが高まるため,
体位変換・移動のたびに挿管長(歯列・口角の位置)を確認することが重要である。
機械的人工呼吸中の偶発的抜管は,全挿管症例のおよそ3〜16%程度と報告されており,人工呼吸管理における重要な合併症である。
▼ 他の選択肢が不適切である理由(事実ベース)
・1)口腔ケア時にカフ圧を下げると,誤嚥やリークのリスクが上がるため不適切。
・2)加温加湿器には滅菌水・蒸留水を用いる。水道水は微生物汚染のリスクがあり使用しない。
・3)バッグ・バルブ・マスク(BVM)は,人工呼吸器トラブルや急変時にすぐ使用できるよう,患者ベッドサイドに常備する。
・4)アラームは誤作動の有無にかかわらず,原則として原因を評価・是正するまで止めない。消音の継続は患者状態の悪化を見逃す危険がある。