インフルエンザ速報:11〜12月の流行状況と特徴

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【2025年11〜12月】日本国内のインフルエンザ最新動向まとめ

2025/26シーズンの日本では、例年より早い時期からインフルエンザが流行し、11月に入って患者数・定点当たり報告数ともに急増しました。
特に第47週の定点当たり報告数は51.12と、過去10年間の同時期で最も多い水準です。
今回は、2025年11〜12月上旬の国内データをもとに、流行状況・年齢別入院状況・ウイルス型の特徴を整理します。

全体像:2025年11〜12月、日本のインフルエンザはどうなっているか

2025/26シーズンのインフルエンザは、例年より早いタイミング(秋頃)から患者報告が増え始め、11月に入って一気に本格的な流行に入りました。
特に11月後半は、全国の定点当たり報告数が50を超え、過去5〜10年間の同時期と比べても非常に高いレベルとなっています。

直近5週間のウイルス検出状況からは、A型インフルエンザのうちA(H3N2)が約9割を占めており、
今シーズンの11〜12月時点ではA(H3N2)がほぼ主体で、B型はまだ少数という構図が見えてきます。
さらに、入院患者の年齢分布を見ると「小児(特に1〜9歳)」と「高齢者(70歳以上)」に集中しており、
重症化リスクの高い層が改めて浮き彫りになっています。

11月の全国的な流行状況(第45〜47週)

ここでは、2025年11月の第45〜47週における、全国の流行状況の流れを整理します。

  • 第45週(11月3〜9日)
    定点当たり報告数は21.82、患者報告数は約8.4万人となり、流行が本格的に立ち上がった時期です。
    この頃から、全国的に「例年より早い流行」という見方が強まりました。
  • 第46週(11月10〜16日)
    定点当たり報告数は37.73と、前週の約1.7倍に増加し、患者報告数も約14.5万人に達しました。
    入院患者も1,466例に増え、小児と高齢者の入院が目立ち始めます。
  • 第47週(11月17〜23日)
    定点当たり報告数は51.12となり、
    過去10年間の同時期で最も多いという非常に強い流行水準となりました。
    患者報告数は約19.7万人、入院患者数は2,055例に増加し、東北〜関東を中心に高い報告が続いています。

11月の1ヶ月間だけを見ても、インフルエンザは「徐々に増える」というより、
短期間で急速に患者数が膨らんだことが特徴です。

11月から直近までの年齢別入院患者数

次に、第46週・第47週の年齢別入院患者数を比較し、「どの年齢層で重症化しやすいか」を確認します。

年齢区分 第46週 第47週 コメント
1歳未満 72例 108例 乳児の入院が増加傾向。
1〜4歳 292例 414例 最も入院が多い層のひとつ。
5〜9歳 282例 365例 学校・保育園など集団生活の影響が大きい年齢層。
10代 141例 184例 小児〜思春期でも入院例が増加。
70代 188例 255例 基礎疾患を背景に重症化しやすい層。
80歳以上 281例 459例 最も重症化リスクが高い高齢者層。

この表から分かるように、入院は「小児(特に1〜9歳)」と「高齢者(70歳以上)」が中心であることが、数字からもはっきりしています。
両者はもともと免疫力や基礎疾患の面で脆弱になりやすく、インフルエンザによる肺炎や全身状態の悪化につながりやすい層です。

ウイルス型と重症化の特徴

11〜12月時点でのウイルス検査結果をみると、直近5週間の検出状況は以下の通りです。

  • A(H3)亜型:185件(94%)
  • A(H1)pdm09:6件(3%)
  • B型:6件(3%)

検出されたウイルスのほとんどがA(H3N2)であり、
今シーズンの11〜12月時点ではA(H3N2)がほぼ主体で、B型はまだ少数という状況です。

A(H3N2)は、これまでの流行でも高齢者で重症化しやすいタイプとして知られてきました。
実際の入院データでも、第46・47週の入院患者は
小児(特に1〜9歳)高齢者(70歳以上)に集中しており、
「小児」と「高齢者」が重症化リスクの高い層として改めて浮き彫りになっています。

現場でのポイントとしては、

  • 小児では急激な高熱・脱水・けいれんなどへの早期対応
  • 高齢者や基礎疾患を持つ患者では、肺炎や持病の悪化を見越した早期受診・早期治療
  • これらハイリスク層へのワクチン接種の重要性の再確認

まとめ

2025年11〜12月の日本国内におけるインフルエンザ流行は、
例年より早く、かつ強い立ち上がりという点が大きな特徴です。

  • 第47週の定点当たり報告数51.12は、過去10年間の同時期で最も多い水準。
  • 11月後半には1週間あたり約20万人前後の患者報告があり、短期間で急増。
  • 入院は小児(特に1〜9歳)と高齢者(70歳以上)に集中。
  • 直近5週間のウイルス検出ではA(H3N2)が約94%を占め、今季の主役となっている。

今後も年末〜年始にかけて流行の推移を確認しながら、
ワクチン接種・手洗い・咳エチケット・体調不良時の早期受診といった基本的な対策を、
小児・高齢者を中心に改めて徹底していくことが重要です。

参考・情報源

参考リンク
  • 厚生労働省:「インフルエンザに関する報道発表資料 2025/2026シーズン」
  • 厚生労働省:「季節性インフルエンザの患者報告数(感染症発生動向調査・定点報告)」
  • 国立健康危機管理研究機構・国立感染症研究所:「インフルエンザ(2025年第46週)疫学情報」
  • 国立健康危機管理研究機構・国立感染症研究所:「インフルエンザ(2025年第47週)疫学情報」
  • 国立健康危機管理研究機構・国立感染症研究所:「IDWR 感染症週報 2025年第47週」
  • 国立健康危機管理研究機構・国立感染症研究所:「インフルエンザ(鳥インフルエンザ・新型インフルエンザ等)情報ページ」
  • ウェザーニュース「インフルエンザ患者数は8.4万人に 万全な感染予防を」(第45週)
  • 日本医事新報社ブログ「2025年第47週 定点51.12 …」
  • 各自治体のインフルエンザ情報(埼玉県・神奈川県・名古屋市・愛媛県・東京都 など)

※本文中の数値・週数などは、厚生労働省および国立感染症研究所の公表資料をもとに作成しています。
最新の情報や詳細なデータは、必ず公式サイトの原資料をご確認ください。