正解:2)球形嚢-垂直方向の頭部の傾き
内耳には,
聴覚をつかさどる蝸牛と,
平衡感覚をつかさどる前庭器(卵形嚢・球形嚢・半規管)がある。
▷ 蝸牛管
・音刺激を感知する器官で,聴覚に関わる。
・音は外耳→鼓膜→耳小骨→卵円窓→内耳液の振動→蝸牛管の有毛細胞へと伝わる。
→「鼓膜の振動」を直接感知するのは蝸牛管ではないため,選択肢1)は不適切。
▷ 球形嚢
・主に垂直方向の直線加速度・頭部の傾きを感知する。
→ 選択肢2)は正しい組み合わせ。
▷ 卵形嚢
・主に水平方向の直線加速度・頭部の傾きを感知する平衡器官であり,聴覚には直接関与しない。
→ 選択肢4)は不適切。
▷ 半規管
・3つの半規管で構成され,頭部の回転運動(回転加速度・角加速度)を感知する。
→ 頭部の「水平方向の傾き」ではなく「回転運動」をとらえるため,選択肢3)は不適切。
このように,「蝸牛=聴覚」「卵形嚢・球形嚢・半規管=平衡感覚」とまとめて覚えると整理しやすい。